「つがる市斎場」が竣工しました。
弊社、設計監理の「つがる市斎場」が2007年10月より供用開始なりました。
つがる市斎場は、旧木造町斎場の老朽化、1983年の日本海中部地震による不同沈下、また、町村合併による市行政人口増によって手狭となっている旧施設の状況を鑑み、「隣接地に新斎場を」との要望を受けて計画されました。
冬季は、-11℃にも冷え込む厳しい気候条件、岩木山を望む壮大な大地を考慮しながら"人間の最後の旅立ちの儀式を行うにふさわしい「心かよう荘厳な空間」をヒューマンスケールで・・・"をテーマとして、品格ある明るい施設づくりを目指しました。
印象的な外観、機能的な配置
西北からの風雪が多い環境特性から、内部空間を保護するようなイメージのレンガタイルの外装で冬場の風雪(地吹雪)の中でも視認できる印象的な外観をつくり出しています。
特に積雪対策は冬場の環境特性に対応できる様に、様々な技術的整合を図っています。
屋根には雪止め金物を取付け落雪を防ぐと共に、軒先及び陸屋根部に融雪装置、竪樋内部には電熱線を設けて凍結防止を図っています。また、低層部を高層部から張り出して配置すると共に庭園を設ける事で、万一の高層部屋根からの落雪が利用者に直接当たらないようにしています。
張り出しの無い西側入口部には門型の落下防止キャノピーを設置し、通行車両、歩行者を守るように配慮しています。
断熱サッシ、ペアガラス、屋根及び外壁の断熱材使用等により、徹底した建物の断熱化を図っています。
動線は、風除室→告別室→炉前ホール→待合室→収骨室という一連の葬儀の進行がスムーズに行える機能的な配置計画としました。
遺族に配慮した内部デザインコンセプト
施設中央に光庭を配置し、待合外部、誘導廊下外部等を緑化するなど自然の光や風、緑の中で"悲しみ"が癒される環境を目指しています。
内装、サイン、照明、壁画等においては地場材の"ひば"をふんだんに採用し、暖かみのある空間になるようにしました。
また、市に"ゆかり"のあるものをモチーフとして重視し、施設内各所のデザインに生かしています。
火葬炉について
施設の中枢となる火葬炉は人口動態を考慮し主炉3基に動物炉1基の計4基を配し、主燃焼炉は灯油燃料による向流燃焼方式で、ダイオキシン除去機能も装備されています。
【建築概要】
- 敷地面積
- 5,771.14m2
- 建築面積
- 1,198.84m2
- 延床面積
- 1,384.75m2
- 建ぺい率
- 20.77%
- 容積率
- 23.99%
- 構造規模
- RC造 地上1階建(一部2階)
- 最高高さ
- 16.6m
- 軒高
- 13.0m
- 天井高さ
- 4.0m(告別室)
- 道路幅員
- 8m
- 駐車台数
- 35台
- 地域地区
- 都市計画区域外
- 主要用途
- 火葬場(火葬炉3基、動物炉1基)
斎場
- 建築工事
- 三井住友建設株式会社 東北支店
株式会社 宮本工業所
- 電気工事
- 太平電気株式会社 青森支社
- 空調工事
- 株式会社 山口水道建設
- 衛生工事
- 株式会社 山口水道建設
- 建築主
- つがる市